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ハイトカルチャの基本理念 1996年4月 

  新しい植物文化の創生

 ハイトカルチャ株式会社が追求するのは,植物栽培(phytoculture)の革命です。そして,それを通じて新たな植物文化(phytoculture)を創生することをめざします。

 phytocultureのphytoは「植物」の意味ですが,cultureの語源であるラテン語のculturaは、「(土地を)耕し(植物を)育てる事」=「栽培」という意味であると同時に,「(精神を)耕し(生活文化を)育てる事」=「文化」という意味でもあります。私たちは,従来行われてきた植物栽培のシステムを革命的に転換していくことを通して,植物にかかわる人間の文化を革新していくことを目標にしていこうと考えています。それが「ハイトカルチャ」という社名にこめた二重の意味なのです。

 植物の栽培は,自然に依存した営みです。生命を生み育てる大いなる自然の営みに依存することなくして,植物を栽培する事はできません。しかし,それが栽培である限り,そうした自然の営みを利用すると言う側面があることはいうまでもありません。そこが自然採集経済と違うところです。植物栽培は,このような「依存」と「利用」の両面がからみあって成り立っています。

 問題は,この依存と利用との関係をどう編成するか,というところにあります。依存だけではだめだが,依存を忘れた利用でもだめだ。植物栽培の歴史は,依存を基盤としながら利用をどれだけ適切に行うか,それによって人間に有用な植物をどれだけ効果的に生み出していけるか,という事を追求してきた歴史であったといえるでしょう。

 その過程では,利用が依存から脱することに急なあまり,それが実は自然の服雑な営みを損なうものであったために,大きな目で見れば依存すべき基盤を破壊する行為を積み重ねてきた場合も少なくありません。いわゆる自然環境の破壊がもたらされたのです。現代は,その反省から,依存すべき自然をもっと大事にし,「自然に帰る」ことを求める時代になっています。例えば植林でも,同じ種類の樹木を1ヶ所に大量に植林する方式が自然の生態系に合致しないために様様な弊害を生み出してきたことへの反省から,「自然回帰」が叫ばれて久しいものがあります。
 しかし,それは利用の度合いを低めていき,依存の度合いを高めていけばいい、という単純なものではありません。依存と利用との関係をもっと精緻にしていくことこそが求められているのです。量的な程度の問題ではなく,質的な設定の問題なのです。
 文化は人間の生活活動の中から生まれます。したがって、植物文化は、自然の恵み,天然資源を生活の糧として利用する人間の活動の中に育まれます。
 原生状態の自然系の中では,植物の様々な生命活動がたくみに調和した形で営まれています。逆に言えば,そうした調和を実現している植物こそが繁殖を続けることができるのです。
 ところが,そこに人間の生活活動が介入しますと,その調和がそのままでは成り立たなくなります。こうして,田畑地、公園緑地,温室,居室あるいは森林伐採地などでは,程度の差はあれ、原生状態の自然系とは異なった非自然的あるいは人工的な環境が成立することになります。
 このような環境の中で自然依存性の高い植物を育成するには、人為的なコントロールによって生育条件を原生状態の自然系に限りなく近づけていくことが必要とされます。人為によって原生状態に近づけていくこのパラドキシカルな営みが、私たちがめざすハイトカルチャ・コントロールなのです。
 そして、原生状態から離れた環境の中に原生状態に近い植物栽培を実現していくという、このハイトカルチャ・コントロールの営みは、そうした性格のものであるがゆえに、潤いのある人間活動を通じた新たな植物文化を創生するものになっていくにちがいありません。
 こうした意味をこめて、私たちが提起したいのが、地下系の「ルートシステム・コントロール」(根系制御)と地上系の「マイクロクライメイト・コントロール」(微気候制御)との二つから成る「ハイトカルチャ・コントロール」(植物育成制御)のコンセプトなのです。


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