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ハイトカルチャ版 緑の回廊計画 第一期 報告
2005年12月11日~2006年1月16日

当初目的と結果報告

 
1:ヘキサチューブに対する理解を深める(現地との協力体制)【当初目的】
 2005年8月に試験的に設置したヘキサチューブ内の樹木は、著しい成長促進効果はみられなかったものの順調に成長しており、現地の人々はチューブは植栽木にとっていい影響を与えていると感じると言って頂いた。新しい技術の投入に対しての躊躇はなく、積極的に使用したいとも・・・
また、経過が気になるとのことで、頻繁に見回りも行って頂いていた。

2:パイオニア樹種の選定【当初目的】
 現在植栽が行われている樹木の多くがパイオニアもしくはパイオニアと極相種の中間種であると思われる。当初、弊社では植栽されている樹木は陰樹などではないかと考えており、サバンナの厳しい日射条件によって植栽木が障害を受けていると考えていたが、そのようなことはないものと考える。むしろ、当地では、イネ科の植物
が繁茂しており、これらによって植栽木が被圧され(日射不足の条件を作って)、成長を妨げていると思われる。
現地ギニア・ボッソウ環境研究所(IREB)ではチンパンジーの糞から集められたタネを発芽させ、サバンナに植栽し、成長を追跡し、サバンナに植栽するのに適した樹木を選定したとのことである。二十数種の樹木から9種を選抜して、現在はその樹木を植栽しているとのことである。

3:パイオニア樹種の生育試験【当初目的】
 上記のように、現在植栽されている樹木の多くがパイオニアもしくは中間種であると思われ、今回は2005年8月に植栽されて、かつ生き残っている樹木にヘキサチューブを設置し、その後の成長を見守ることとした。

4:パイオニア樹種に対するチューブの効果の確認
 2005年8月に試験的に設置されたヘキサチューブ内の樹木はそれほど大きく成長していなかった。上記にあるように、当地サバンナではイネ科草本が繁茂しているが、これらは1年で3mにもなるような成長をする。2005年12月に視察を行ったときには植栽木はイネ科草本の陰に隠れるような状態であった。日本でも、樹下植栽のように陽光が十分でない場合は、著しい成長促進効果はみられない。当地でも同様に陽光不足であったものと思われる。今後、イネ科草本の刈り取りが十分行われたときの成長を確認する必要がある。

5:苗木の植栽方法など技術的確認
 苗木の植栽は雨季に行っていると伺った。2005年8月に植栽された樹木の8割以上は活着しており、植栽方法について大きな問題があるようには感じられなかった。ただし、苗木の生産効率や、より良質の苗木を作るためには工夫する余地があるものと思われる。

当初実験計画と結果報告

1:植栽場所
 a)小学校校庭内・周辺部
 我々が訪問した時期は小学校は冬休み期間であった。そのため、1200本のチューブの内1000本はサバンナに設置することとした。残る200本については、現地の研究施設IREBが学校に植栽した樹木に使用したいとの意向を示しているので、小学校などの教育機関で使用されるものと思われる。また、IREBには大学生などが研究に訪れているとのことであるが、彼らの研究対象となる可能性もある。

 b)通学路
  上記のように、今回は小学校などの教育機関周辺への植栽およびチューブの設置に立ち会うことはできなかったが、今後、植栽・設置される予定である。

 c)緑の回廊造成予定地
 上記のように、1000本をGreenCorridor用地に植栽された樹木に設置した。

2:ヘキサチューブ数量
   1200本【当初予定】
     1000本はGreenCorridor用地に設置
     残る200本は教育機関周辺や現地研究用として使用される

3:2005年12月(乾季)
 乾季の植栽はきわめて困難であるとのことで(苗木の調達などを含めて)、チューブの設置のみを行った。1000本(12/22-27)
  

現地との協力体制
 植栽への小学校の参加
 

1:苗木の植栽やチューブ設置への小学生の参加
 上記(当初実験計画と結果報告)の通り
 また、小学生などの参加目的の一つとして、現地の大人の人々に植栽木を大切にしてもらえるように、との願いがあったが、現地を訪問したところ、多くの方々はチンパンジーの保護に積極的で、植栽事業についても理解を示されているように感じました。GreenCorridorに通っているときも、「Corridorで働いている」というと感謝の言葉をかけられることもありました。ただ、多くの方々の生活を支えているのは農業であり、現地の方々の生活といかに折り合いをつける植栽計画であるかが今後の鍵となるのではないかと感じました。

2:温度や降水量などの測定
 我々が思っていた以上に多くの小学校がありました(情報収集の不足があり、反省する点です)。しかし、各学校に温湿度計をお届けすることはできました。各学校で温湿度の記録が行われ、理化学に興味を持つ子供たちが増えることを願います。

3:植物の観察

 先に述べたように、小学生たちの植栽に立ち会うことはできませんでした。また、思った以上に小学生が多かったので、筆記用具に関しては学校単位でお渡しすることとなりました。ただし、植栽された後、観察できるように筆記用具などは現地に預けてきました。自分たちが植栽した木々の成長を目の当たりにして、今後の森林保全や自然に興味を持って頂ければと思います。
 

本植栽に向けてのデータ収集

1:「緑の回廊」造成予定地の観察【当初目的】
現地の様子はボッソウとサバンナの風景に写真を掲載。
サバンナをほぼ占有しているイネ科植物
が植栽木の成長を妨げている一番の要因であるように感じた。したがって、いかにイネ科草本を効率よく駆除できるか、もしくはいかにイネ科草本の影響を受けないように植栽事業を行っていくかが重要であるように思われる。また、土壌条件や水分条件も場所によって大きく異なるようであり、水分条件などを加味して植栽場所を決定することができれば、さらに効率的に再森林化が図れるのではないかと思われる。

2:パイオニア植物の選定
「当初目的と結果報告」の4を参照して頂きたい。
植栽されている樹木の多くはパイオニアに近いもので、樹種選定に問題はなさそうである。

3:パイオニア植物が育つ場所の選定
場所の選定は困難であった。基本的には河畔林の林縁部などが適していると思われるが、作業上の問題などがある。樹木の成長に適した場所であることと、現地の人々の協力が得られる場所が必ずしも一致しないこともある。現地の人々との信頼関係を更に強固なものとして、協議し、植栽場所を決めることが重要であるように思われる。

4:現地発芽樹木(実生樹木)の確認とヘキサチューブの設置
サバンナ内でも実生の樹木はみられる。この樹木を生かすためにヘキサチューブを活用することも有効であると思われるが、緑の回廊プロジェクトにはIREBも積極的に関わっているので、彼らとの協議が必要であるように感じられた。今回は彼らの希望もあり、植栽された樹木にヘキサチューブを被せることとしたために、サバンナで発芽成長している樹木にヘキサチューブを被せることはしなかった。